草原にいる

雑文を書きます。

神保町で安部公房の初版本を買えたことが一番楽しかった

 シルバーウィークの4日間を利用して、新宿区と文京区の狭間あたりの、エアビーで借りたアパートで生活した。結論から言うとエアビー最高という文章です。

 一人暮らしと言うにはあまりに他人様に用意してもらった設備と、あまりに短い期間であったが、ひとまず身の回りのことを可能な限り自分で行うということについて、人生初の一人暮らし体験だった。

 なぜ実家が都心アクセス最高の京王沿線にあり、特に家族仲間も悪くなく、門限などの制約も無い好条件にも関わらずこんな酔狂な真似をしたかといえば、それは単に僕が万年反抗期だから。あと好きな時間に風呂に入りたい。

 このシルバーウィーク一人暮らし期間、連日新宿や池袋で飲んで終電を逃していたが、歩けば40分で家につくという最高の立地。実家では周りに居酒屋がなく、最寄駅までも相当離れているのでうかうか終電を逃すこともできなかったが、今は良いぞと、着の身着のまま飲みに行けるぞと、そいで終電逃しても歩けば余裕だぞと、もう長年心に乗せられてきた重りがぱっと外された気分。何も考えずに飲む酒は今までで一番おいしかった。

 あとは憧れの神保町やら高円寺やらがすぐそこにあるというわくわく感。初日、神保町に特に買いたいものもなくふらっと立ち寄ったが、なぜか気づけば古書の山を手にしていた。もうすぐで江戸川乱歩全集揃で6,000円を購入しそうになっていた自分を発見、恐ろしくなって逃げ帰った。(現在考え直して、改めて購入することを決意。あと隣にあった三島由紀夫全集も破格のお値段だったので検討中。)

 そのほか、自炊をしてみたり、掃除したり、洗濯したり、銭湯に行ってみたり、すでに一人暮らしをしている方から見れば「夢見ちゃって」と思われるかもしれないが、僕にとっては「生活」の一端を垣間見たと感じた。むしろ自分で自分の責任を取るということで実家で生きるよりも自己肯定感が増した。

 

 四泊五日、都心近くの新築アパートを借りて、1万5千円そこらでした。友人と一緒に泊まれば一人頭もっと安くなる。

 何にしても今年度中(できれば年内)に一人暮らしを始める予定なので、そうなったら遊びに来てください。中央沿線か文京区を予定しています。