草原にいる

雑文を書きます。

私は22年間閉じ込められていた

 仕事帰りに久しぶりに実家に寄った。

 読みたい資料を取りに行ったが見つからなかった。

 大学の社会哲学の授業資料で、ソクラテスの死の瞬間を描写した文章があったはずなのだが、どうやら捨ててしまったみたいだ。代わりに過去に出演した公演の台本と、親に持たされた冷凍食品を持って帰った。

 相変わらず実家の周りには遊園地以外に何もなく、不便で暗い気持ちになった。高校生の終わりくらいから、土地に閉じ込められている気分になっていたことを思い出した。この不便さをいつになったら愛せるようになるだろう。